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レース直前の調整方法

レース直前の調整方法_c0051032_19115697.jpg初夏から秋にかけてはフルマラソンやハーフマラソンなどの長いロードレースは少なく、5キロから10キロの比較的短い距離のロードレースが行われます。また、7,8月の暑い時期には標高の高い地域でのレース(山岳レースなど)が多くなります。このような比較的短い距離のレースに臨むには、どのようにして練習成果を生かしていったらよいでしょうか。

レース直前といってもいろいろな「直前」があります。フルマラソンでしたら、1ヶ月前でも長い走り込みを経過した後という意味では直前に近いといえます。ここでは「1週間前」の調整練習についてまとめてみました。

以下の事例は、月曜日から金曜日まで勤務して、土、日曜日が休日のケースを前提として書いています。大きなポイントは1週間前の日曜日(7日前)と前日です。それから、月曜日から金曜日までの5日間をどうするか。つまり、1週間前の日曜日の練習や前日の練習が単独で存在するわけでなく、前後の練習内容と密接につながっているからです。広く言えば、1ヶ月前、3ヶ月前の連続した練習内容とも大いにつながっています。十分に練習を消化できたか、練習不足か、故障を抱えているかどうか、などとも関連します。ランナーそれぞれの事情があるでしょう。その中で、いかに最大のパフォーマンスを引き出すことができるか、それが直前練習に課されたテーマといえるでしょう。

①7日前
スピード練習の総仕上げと調子のチェックがねらいです。たとえばT.T(10キロレースの場合には5キロ)やインターバル走などで、レースでのスピード感覚を体験しておくことです。「レースよりも短めに、そして速めに」というのがコツです。快調に走れなくても気にすることはありません。快調でないということは、これから調子が上がっていくという兆しだと思ってください。その反対に、快調にに走れたというときは気をつけてください。これから調子が落ちていく兆しですから。

できることなら、レースと同じ時間帯に練習します。いつも、というわけにはいかないでしょうから、せめて7日前には体験しておきたいですね。たとえば、いつも夜を中心に練習している人は、なかなか午前中のレース時にベストコンディションに持っていくのは難しいでしょう。

②月曜日から金曜日までの5日間

ジョグ中心でいきます。毎日同じ練習ですと単調になりますから、距離やペースを増減させて、できたら、時間帯も変えて、メリハリをつけます。これまでの練習で、土日以外にスピード練習を行ってきている人の場合には、水曜日あたりに少し刺激を入れてもいいでしょう。たとえば、1000~2000m×1とか、ショートインターバル200~400m×5などを、レンースペースより速く行う。また、意識的に完全休養日を入れるのも気分転換になっていいと思います。

③前日
最後の練習です。明日につなげることだけを意識して行います。疲労感が残っていれば、短めのジョッグにしておきます。ただし、最後にW.S(ウィンドスプリント)を2,3本入れておきます。また、疲労は十分にとれたという人は、ちょっとだけ刺激練習を行うといいでしょう。たとえば、「30分ジョグ+1000m×1+20分ジョグ」。「1000m×1」は、レースの序盤の1000mや終盤の1000mを想定して、レースよりも幾分早めに走るくらいがいいと思います。ラストパタートを意識して行う人もいますが、、追い込み過ぎないように注意してください。あくまでも「明日しっかり走れそうだ」という感覚を残して終わることが目的です。

④調整練習は行はない
普段の力を出せればいいので、この1週間を特別に調整練習を組まずにいつもと同じ練習を行うという人もいます。レースを練習の一環ととらえ、練習もレースのように走る。10キロレースは来るべきレースの通過点に過ぎないという発想です。この方法は、日ごろから週土日を練習のピークに持ってきている人にとっては、レース当日の日曜日をピークに持っていく調整方法になれているので、難しいことはないでしょう。

⑤注意点
その1。直前の練習は、スピード練習を行う場合であってもあくまで「調整」のためのものです。体調を引き上げられずに、無理して疲労が残ってしまっては逆効果です。疲労を残さないように上手に刺激を加えてほしいものです。また、体調がよくないときには無理をして計画したメニューをこなさずに、勇気を持って計画を修正することが大事です。1週間前にT.Tを行ったりするのは、調子を測る意味もあるのです。たとえば、想定していたタイムを大幅に下回った場合には、月曜日以降の練習計画をジョグ中心に切り替えて、調子が上向いてくるのを待つ。それでも調子が上がらない場合には、本番でのレース戦術(ラップなど)や目標を変更する。そこまで準備ができていれば、走り終わってから「こんなはずじゃなかった」などという事態は避けられ、目標タイムとのギャップは最小限に抑えられると思います。

その2。練習を十分に消化できた人は、体調がよい場合にスピードを上げすぎたり、量を増やしすぎたりしないように気をつけることが大切です。また、練習が十分ではなかったランナーは、この時期にえてして多めの練習を行ってしまう場合が見られます。ランニング学会副会長の有吉正博さんは、著書の中で「初心者ほど、レースが近づくにつれて、練習量が増える傾向にあります」(『ランニングワンポイントコーチ』)と書いています。練習が十分な場合に比べて練習不足のときには、多めの練習を行うと、より疲労が取れにくいのです。気持ちはわかりますが、練習不足は過去のこととして、意識して軽めの練習で疲労の蓄積をなくすことに努めてください。

食事、睡眠を十分にとり、そして病気をしないように気をつけて試合に臨んでいただきたいと思います。
by hasiru123 | 2007-06-16 18:58 | 練習