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レース直前のトラブル対策

予定通りに練習がこなせた人、思うように練習ができなかった人、最高のコンディションでレースを迎えられそうな人、調子が下降気味の人。人それぞれの状態で臨むレース。後は、神のみぞ知る、です。

本番を前にして困るのは、予想していなかったトラブルの発生です。たとえば、次のようなケースです。
・故障した
・前の晩、眠れない
・前日、酒を飲みすぎた
・排便がスムーズにいかない
・食事時間が遅すぎた(早すぎた)
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<故障した>
練習が計画通り実行できても、直前に怪我しては元も子もありません。たとえば、レース前日のジョグで、木の根っこにつまずいて捻挫してしまった、当日のウォーミングアップで流し(慣性走、ウィンドスプリント)をしたときにハムストリングを痛めた、1週間前に起きた膝の痛みが取れない、など。

練習が計画通りにできたというものの、計画に無理があるとオーバートレーニングということもあります。目標の達成にこだわるほど、ぎりぎりのところまで追い込みますから、故障の確率が高くなります。順調な計画達成とオーバートレーニングによる故障発生はコインの裏と表のような関係にるといえます。このようなときに、医師の診断を仰ぐかどうか、とりあえずレースに出てみるかどうか、その辺の判断は最終的には自分で行うことになります。これまでの経験や、さらに先に控えているレースなどを考慮に入れてその重要性を斟酌します。

<風邪をひいた>
発熱していたならば、持っているパフォーマンスの何割かを割り引かないといけませんから、よほどのことがない限り出場をあきらめることが大事です。しかし、駅伝のようにチームで競う場合にはどうしても無理をしがちです。補欠がスタンバイしていなければさおさらです。このような場合には、勇気を持ってだれかに代わってもらいましょう。

判断が難しいのは、熱はないがのどが痛いとか鼻がむずむずするといった軽い風邪の場合です。目安としてほしいのは、「クスリを飲んだか(飲まない程度ならよい)」「朝食はしっかり摂れたか」「夜はよく休めたか」の3点です。この3つがクリアできて、気分が特に問題ないようでしたら、出場してみるのも一つの選択肢です。

<前の晩、眠れない>
これは病気や体調不良ではありませんが、極度の緊張のためすぐに寝つけないことがよくあります。眠ろうと意識するとなおさら目がさえてくるという経験が私も何度かありました。前日泊で相部屋を取った場合に、いびきで悩まされることもありました。それでも、結果的に2,3時間しか寝ていなくても、翌日のレースでは自己記録が出たということもあるのです(90年の河口湖マラソンで)。反対に、調子がよくなかったり、練習が順調に消化できなかった場合には、プレッシャーが少ないからでしょうか、睡眠不足に悩まされたという記憶がありません。

前日泊のときの私のとる睡眠対策は、「夕食で軽くビールを飲む(しかし、飲みすぎない)」「早めに床に着く」「イヤホンつきラジオを枕元においておく」「夕食時にランニングの話題であまり盛り上げすぎない(これが難しい)」「真っ先にいい寝床を確保しておく(出入り口付近は最悪)」の5点です。もう一つつけ加えるならば、「眠れないのは調子がいい証拠で、好記録が生まれる前兆かも」と都合のいい解釈をするといいでしょう。

<前日、酒を飲みすぎた>

これは、前の晩に仕事上の宴席などでどうしても席をはずせなかった場合と、ついつい友人と深酒をしてしまった場合があります。前者の場合は、ストレスなども重なって大変だろうと思いますが、翌日のレースはかえっていいストレス解消になる場合もあるでしょう(ただし、酒量によりますが)。しかし、後者の場合はバッドマークです。スタートラインに立つ資格がありません。仲間の応援にまわった方がいいでしょう。

<排便がスムーズにいかない>

今までの経験から、どうすれば成功できたかを考えて、最善を尽くすことに限ります。ランナーの体質や生活習慣などが大きく影響するので、これがベストというのは残念ながらありません。一般的にこうするといい、というレベルですが、私の考えるレース当日の対策の基本は以下の5つです。

「早めに起床して、朝食の前後に水分を多めに摂る」「野菜類、野菜ジュース、バナナなどの果物、イモ類などの繊維質食物を多めに摂る」「牛乳などの飲料を多めに取る(牛乳が身体に合わない人は下痢を促進するので逆効果)」「新聞を読んだりテレビを見たりする時間的余裕を持つ」「朝食後に右側を下にして横になる」。

<食事時間が遅すぎた(早すぎた)>
食事時間は遅すぎても早すぎても、うまくいきません。ウォーミングアップをスタート1時間前に開始するとして、5キロからハーフマラソンまでなら「スタートの3時間~3時間30分前」が目安となります。フルマラソンの場合には、食事から補給したスタミナ源を早く消費しないようにする必要から、「スタートの2時間~2時間30分前」が目安かと思います。

距離の短い競技だとトップスピードに入る時間が早くなるため、お腹の方も消化を早く済ませて臨戦態勢(すなわち、お腹に未消化物が残されていない状態)に入っていなければなりません。お腹の未消化は腹痛の原因ともなるので、要注意です。マラソンのように長い距離ですと、ペースの入り比較的ゆっくりですから、お腹もそれほど早くから臨戦態勢に入る必要がありません。メキシコをはじめとする3つの五輪大会でマラソンを走った宇佐美彰朗さんは著書『マラソンランナー』の中で、新潟国体の35キロレースで4時間前に食事を摂ったために途中で燃料切れして、惨敗したという経験を語っています。

その他に、女性ランナー特有のさまざまな問題がありますが、医療の専門家やアスリートOGの情報にゆだねたいと思います。また、自宅(または宿舎)から会場までの交通経路は事前に下調べをしておき、時間の余裕を持って出かけることが大切です。前日に受付ができる場合には、前もって済ませておきましょう。
 
by hasiru123 | 2007-06-24 18:20 | 練習