2008年 09月 07日
しっかり走るための栄養とは何か(6) たんぱく質 - その1
ランナーには「食事の栄養バランスが大事だ」ということを前に述べました。今回は、その中の一つ、「たんぱく質」について考えてみたいと思います。
たんぱく質は、炭水化物と脂肪と並ぶ三大栄養素のひとつです。生命体を構成し、生命活動を支えている重要な栄養素です。体重のおよそ20%を占め、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命の維持に欠かせない多くの成分になります。エネルギー源としても使われることもあります。そして、ランニングを始めとするスポーツ活動に重要な役割を果たします。
たんぱく質は毎日生まれ変わっている
体をつくっているたんぱく質の一部は、つねに分解され(異化作用)、食べたたんぱく質と合わせて、再生されます(同化作用)。このような代謝をとおしてエネルギーの出入りや変換がみられ、それらはATP(アデノシン三リン酸)が重要な仲介役をしています。たんぱく質の材料には、体の中でつくることができないもの(必須アミノ酸)もあるため、私たちは、毎日食べ物からたんぱく質を補給しなくてはなりません。
ランニングを行うと異化作用により筋肉量が減少します。これを再生させ、強化するのが同化作用です。この過程で必須アミノ酸が必要となるわけです。アミノ酸には全部で21の種類があり、様々な形で結合して機能します。このうち以下の9種類のアミノ酸は、ヒトの体内で作り出すことができないため、食物とともに摂取しなければなりません。
バリン
ロイシン
イソロイシン
スレオニン
メチオニン
フェニルアラニン
トリプトファン
リジン
ヒスチジン
どのようなたんぱく質を何から摂ったらいいか
必須アミノ酸がバランスよく含まれた食品が、すなわち体に効率よく利用されるたんぱく質(良質のたんぱく質)がたくさん含まれている食品といえます。どんなものがあるでしょうか、以下に代表的な食物を挙げました。
・肉類(牛、豚、鶏、ハムなど)
・魚介類(魚、小魚、貝、ねり製品など)
・卵類(鶏卵、うずら卵など)
・大豆および大豆製品(大豆、納豆、とうふなど)
・牛乳および乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
1日3度の食事やトレーニングの中で補給する飲み物の内容に気をつけて、1日に必要なたんぱく質をしっかり摂りたいものです。