2005年 03月 05日
最終刺激練習の効果
若葉グリーンメイトでは、試みに3月6日(日)に地元で開催される鶴ヶ島グリーンロードマラソンに備えて、東洋大学のトラックを借りて実施することになりました。果たしてその効果はいかがなものか。
レース直前のスピード的な刺激練習とはおよそ次のようなものです。
●目的:レースのためのスピード的な刺激を与える
●練習方法の一例:
1)ウォーミングアップ(ストレッチ&ジョッグを30~50分)
2)ウインドスプリント(慣性走あるいは流しとも言う) 100~130m×3本
3)呼吸を整え汗をとってから、1000m×1~2本(90%程度の力で)。レースペースが
目安。
4)呼吸を整え汗をとってから、ジョッグを10~20分
5)ストレッチを入念に行う
基本は、気持ちよく練習を終わり、明日への鋭気を養うことです。速すぎたり、本数が多すぎたりしないようにコントロールすることがポイント。
ここに、その練習効果を調べた報告があります。2000年に発行された「ランニング学研究」で発表された「レース前の最終刺激練習の実際」(山内武、卯田一平)という論文です。大阪学院大学の陸上競技部の長距離ランナーを対象に、最終刺激練習を行う前後における血中乳酸値(*)や心拍数を測定したうえで、10000mのベスト記録と競技会の記録とを比較し、その記録の低下率で競技成績を評価しました。その結果、次のようなことがわかりました。記録低下率【100-(大会の記録/ベスト記録×100)】は、「2日前に最終刺激練習を行った競技者」「1日前に最終刺激練習を行った競技者」「最終刺激練習をやらなかった競技者」「3日前に最終刺激練習を行った競技者」の順で低くなっています。また、最終刺激練習において、血中乳酸値が低い競技者ほど、記録低下率が低い傾向もわかりました。血中乳酸値が低いということは、長距離種目に向いた身体資源を保有していることの証でもあります。
この測定結果はあくまで競技者を対象にしたものなので、初心者が取り入れるのは控えた方がいいでしょう。また、練習不足でレースに臨む場合も同様です。最終刺激練習を行って、本番に筋肉疲労を残してしまうようでは逆効果となるからです。
*血中乳酸値については、下記URLを参考にしてください。
<<http://www.club-arkraysp.net/health/report/01.html>>