人気ブログランキング |

深まる秋の一夜を合唱で

c0051032_18350511.jpg

c0051032_18353790.jpg


砂山の砂に
砂にはらばい初恋のいたみを
遠くおもい出(い)ずる日

これは、石川啄木の第1歌集『一握の砂』中の1首だ。

『一握の砂』は中学生のころに学校の図書館から借りて何度も読み返した思い出がある。冒頭の1首目にはあの有名な「東海の・・・」があるが、長らくこの場所は「東海」すなわち静岡県あたりの海岸ではないかと勝手に思い込んでいた。後で解説本を読むと、啄木の出身地の岩手県でもなく、函館(北海道)の大森浜の砂丘に腹這いながら、初恋にまつわるいたみを思い出す歌だと知った。

10月に入って、この歌に越谷達之介(こしたに・たつのすけ)が曲をつけたものを聴く機会があった。歌詞はたったの三行詩のリフレーンなのに、三つの拍子を組み合わせただけで、こんなにも広がりと起伏に富んだ旋律になるのかと深く感じ入ったものである。ソプラノ歌手の高橋美咲さんがすてきな声に乗せて歌い上げた。第13回第九の夕べin喜多院である。

その他にこの日出演したソロの歌手は、バリトンの原田勇雅さんとアルトの谷地畝晶子さん、テノールの松原陸さんの方々である。そのあとは、恒例の地元の小学生たちの合唱と、「喜多院で第九を歌う会」の皆さんによる「ベートーベン第九交響曲第4楽章歓喜の歌」を聴きながら、深まる秋の一夜を楽しんだ。

(写真上)リハーサル風景
(写真下)本番


by hasiru123 | 2018-10-17 18:44 | 芸術

男子マラソンで世界記録

9月16日のベルリンマラソンで、リオ五輪チャンピオンのキプチョゲ(ケニア)が2時1分39秒というとてつもない世界記録が誕生した。これまでの記録を1分18秒も短縮し、史上初の2時間1分台に突入する快挙であった。今回の世界記録更新は4年ぶりのことである。

世界記録の更新は長いスパンで見ると、21世紀になって8回更新され、記録ラッシュと言える。過去の記録の推移を見ると、新記録が立て続けに出る時期(伸張期)と何年間も新記録が生まれない時期(停滞期)とがあることが分かる。

たとえば、ダコスタ(ブラジル)の2時間6分5秒(98年)からキプチョゲの2時間1分39秒 (2018年)までの20年間に世界記録が9回更新され、合わせて4分26秒短縮されている。この期間は、伸張期と呼んでいいだろう。

さかのぼると、60年代の記録ラッシュはさらに目覚ましく、アベベ(エチオピア)の2時間15分16秒(60年)からクレイトン(豪州)の2時間8分33秒(69年)までの10年間で、7人のランナーが8回更新し、合わせて6分43秒短縮している。

一方で、クレイトンの2時間8分33秒からドキャステラ(豪州)の2時間8分18秒(81年)までの15秒を短縮するのに12年かかっている。この期間は、停滞期と呼んでいいだろう。この時期の日本も同様の傾向で、日本記録の更新は宇佐美彰朗(70年)と宗茂(78年)の2回のみである。

いずれマラソンの世界記録が2時間を切るのは夢ではないとしても、短縮のペースがこのまま直線的に刻まれるかは分からない。むしろ、何年後かに記録の更新が足踏みすることだってあるだろう。その可能性の方がは高いのではないか。

ちなみに、世界の女子マラソンは、2003年に出したラドクリフ(英国)の2時間15分25秒を最後に15年間破られていない。

これも台風の勢力と同じように、息をしているからかもしれない。


by hasiru123 | 2018-10-06 20:33 | マラソン