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箱根駅伝の改革いまだし

来年1月2、3日に開催される箱根駅伝の予選会が去る10月14日に行われ、23の出場校が出揃った。関東に限られていた出場枠が今回に限り全国に拡大された。駅伝に取り組んでいる地方大学にとっては、またとない大きなチャンスが訪れたが、関東以外からの予選通過はなかった。

記念すべき第100回大会を迎えるにあたっての試みとして歓迎したいが、今後につながる全国化ではなかった。とても残念で、何とかならなかったのだろうかと首をかしげている。確かに初めての予選会出場で即通過というのは厳しい。というのは、1区間平均で21.7キロというハーフマラソンよりも少し長めの距離をこなすには長期的な練習計画が必要だからである。

人材確保や練習環境の改善などを図っていかないと関東の大学に対抗するのは難しい。今回は、結果として関東の大学が3校増えたということで終わった。

毎年年末に発行される『箱根駅伝公式ガイドブック』(陸上競技社/講談社)の巻末に載っている「出場全チーム成績」を見ていたら、これまでも関東以外の大学が箱根駅伝に出場したという歴史があることに気がついた。

戦前は関西大が、戦後は立命館大と福岡大で併せて3校が出場している。関西大は9回が9位で12回と13回がともに8位、立命館大と福岡大は64年の40回記念大会にオープン参加として出場している。関西大が出場した昭和一桁の頃は、10校で競う大会だった。

100回記念大会が歴史の節目とはならなかったが、引き続き検討を重ね、長い目で箱根駅伝を育てていってほしい。

# by hasiru123 | 2023-11-19 19:16 | 駅伝

三芳野神社の社殿公開

前日の同窓会に続いて、三芳野神社の社殿公開に合わせて説明会を2日間かけて行ったため、喉を枯らしてしまった。もともと声帯は弱い方である。加えてお腹から声を出すいわゆる腹式発声が不得意で、おそらく胸式呼吸で大きな声を出したからだろう。

  * * *

三芳野神社は毎日のように社殿を開けることができず、週に1回位の頻度で開けている。というのは、常駐の神職がいないため授与所を開ける日程に合わせて氏子の役員たちが交代であたっているからだ。そんな中で、祭事が行われたり、境内でイベントが開催されるときに限って参拝者を社殿へご案内して見学会を行っている。

4年前に大規模な塗装工事が竣工し、昔の絢爛な姿を取り戻した社殿の姿を多くの方々に見ていただこうというのが社殿公開の趣旨である。

私が担当させていただくときにPowerPointを使ってお伝えしている内容をご紹介すると--。

まず埼玉県指定文化財であることを踏まえて、神社創建に始まる神社の歴史から始める。併せて、歴史史料ではないが平安時代に成立した歌物語である『伊勢物語』に出てくる「みよし野の たのむの雁--」という歌のくだりについても紹介している。そして、江戸時代の初期から現在に至るまでの修理の経緯や「権現づくり」(本殿と拝殿を幣殿で繋ぐ建築様式)という建物の構造的な特色をお話ししている。

「とうりゃんせの細道」については、パンフレット等に解説されているので特に触れない。代わりに「三芳の神社の四季」というタイトルで神社周辺の季節の移ろいを紹介している。夏越の祭り(6月30日)や元朝祭(元旦)などの行事の様子、自治会の皆さんで行うごみゼロ運動や夏の子どもたちによるラジオ体操、公園を彩る花木などである。

最後に、竣工後の社殿や塗装工事の様子を写真で見ていただいている。中でも拝殿前の基壇に立って演奏された女声合唱の演奏は、珍しいワンカットだ。

残念なことに、幣殿に置かれている随身像などの宝物類はいずれもレプリカで、実物は川越市立博物館に保存されていてふだんは見ることができない。

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(写真)フリーマーケットで賑わう三芳野神社の境内

# by hasiru123 | 2023-11-13 20:58 | その他

全日本大学駅伝あれこれ

今朝は南よりの風が吹いて、しかも湿度が高かった。わたしには走っていてちょうど良い気候に感じられたものの、秋なのに春風が吹いているみたいで奇妙な感覚だった。昨日の名古屋地方もそれと似たような気象コンディションだったかもしれない。

正午というと全日本大学駅伝の7区を過ぎたあたりか。大会本部から、12時時点で気温23.3度、湿度69%と発表されていていた。今大会はこの時期としては異例の暑さで選手たちを悩ませた。

駒澤大が2位の青学大に2分49秒の大差をつけて4年連続16回目の優勝を飾った。1区の篠原が1秒差で区間賞を獲得すると、2区以降では徐々に差を広げ、その後1度も競合選手の背中を見ることなく伊勢神宮のゴールへ飛び込んだ。

駒澤大は暑さをものともせず、各選手は前半を抑え気味に走り後半ペースアップするというトップを行くチームのセオリー通りの落ち着いたレース運びだった。一方で、優勝争いとは別の見ごたえある戦いが見られた。駒澤大のアンカー山川の後方で戦わされた熾烈な2位-4位争いと、8位-10位のシード権争いだ。今大会を盛り上げた最大の立役者はこれらの選手たちではなかったかと勝手に思っている。

残り5キロを切り、15.1キロを過ぎて国学院大・伊地知と中央大・阿部が青学大・田中を捉え、3人の集団走に。そして、 創価大・吉田が8区11.8キロ地点までで3人抜きを演じ、6位に上がった。7位の大東文化大・菊地に30秒差、8位の東京国際大・川内に59秒差をつけていた。

わたしは後刻、ビデオで中継画面の全てを視聴したのだが、競技内容とは別に「これは?」と思ったことがいくつかあった。

一つ目は、中継でも伝えられていたように給水所で水を取り損ねた選手が多く見られたことだ。温度が上昇する後半の区間では、給水の失敗が選手の調子を狂わせることが考えられる。最近のマラソン大会ではよく行われているように、選手にボトルを手渡しする対策がとられてもいい。

二つ目は、中継所の役員がタスキ渡しを終えた選手のナンバーカードから安全ピンと思われるものを外すシーンが見られた。ナンバーカードを回収するための措置と考えられるが、息が絶え絶えの選手を引き留めて行う措置に疑問を抱いた。記録はナンバーカードの情報から電子的に読み取られているはずなので、選手がそのまま持ち帰ることはできないのだろうか。

三つめは、大会の運営とは直接関係がないが、テレビの中継画面には箱根駅伝で活用されているdボタンを使って選手の情報や各チームの順位などが見られる仕組がなかった。スマホと併用して視聴すれば受けられるサービスではあるが、テレビのリモコン一つで操作できればなお便利である。

四つ目は、知識として知らないだけのことではあるが、監督バスに乗っていた監督さんが車から降りて沿道に出てチームの選手に声掛けをしたり、ゴール地点に先回りしてアンカーを待つことがどうしてできるのだろう。監督バスを始めとする関係車両は選手が走るコースの右側車線を選手とほぼ同じスピードで走っている。3車線や4車線の広い道路であれば車線変更したり、近道を使うなどして先回りすることが考えられるが、この大会のほぼまっすぐのコースではそのような技は考えにくい。不思議である。

5つ目は、監督バスにはスポーツジャーナリストの増田明美さんがバスに乗り込んで監督さんの声をリポートしていたことについて。監督バスは2台あって、有力チームの監督さんが乗るバスとそうでないバスとがあったようだ。もう1台のバスからも監督さんの声を聞いてみたかったなあ--。

# by hasiru123 | 2023-11-06 19:54 | 駅伝

レコード芸術 2023年7月号 (2023-06-20) [雑誌]

音楽之友社/音楽之友社

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今年の夏に入る前のこと--。いつも使っているスピーカーの左側から音がしなくなった。てっきりプリアンプの出力部分が故障したのではないかと疑った。というのは、2年ほど前に同様の症状が出てプリアンプを修理に出した経験があるからだ。

そこでオーディオに詳しい知人に来訪をお願いし、診断してもらった。結果は、パワーアンプの出力が大き過ぎたためスピーカーに内蔵されているコードを傷めた可能性があるとのことだった。このスピーカーはけっこう外形が大き目のもので、音量を絞って聴いていたので出力が大き過ぎたというのは意外だった。

専用のスピーカーコードを知人に探してしてもらっている間、知人からプリメインアンプを借りてパワーアンプの代りに使い、このスピーカーの使用はしばらくお預けとした。スピーカーの代替は、補助的に使っていたバックロードホーンで凌ぐことに。そんなことで、ここ数か月間はCDやレコードなどの音楽ソースを聴くことがでず、新譜の情報を集めたり、買ったりする買う機会も少なくなった。

とりあえずCDを聴くことができるようになったことで、久しぶりに何かいい音楽CDは出ていないかとあれこれ調べることにした。わたしが新譜情報を収集する際に一番頼りにしているのは雑誌『レコード芸術』(通称「レコ芸」)が推薦する記事だった。情報量もさることながら、クラシックの各分野の専門家による解説や分析内容が詳しいからだ。どのCDが<特選盤>(新譜について専門家らが批評を寄せ、2人の評者が推薦した作品)に選ばれているかが自分の購入に少なからず影響を及ぼしていた。

あとは毎日新聞に月1回掲載される「特選盤」というコーナーがあるが、3つの音楽ジャンルについてそれぞれ月に2枚ずつしか挙がっていなくて、やや物足りない。ネット時代の現在でも、これらの記事を読まずして質的な情報に出会うことは難しい。例え大量の在庫を揃えたレコード店を訪れたとしても、収集の的確さについては記事情報に勝るものはない。

その「レコ芸」が今年の7月号を以って休刊となった。こう言っては恥ずかしいが、CD選びの羅針盤を失ったような気分である。そして、12月発売の1月号に掲載されるレ「コード・アカデミー賞」は特選盤の中の嚆矢と言えるものだったが、この年末からは折り紙付きの1枚に接する機会がなくなった。

これからは耳で聴く音楽が自分の中から少なくなっていくのではないか思っている。加えて、文学や映画が批評によって鍛えられた歴史があるように、眼で読む音楽が消えることは音楽文化の衰退につながるのではないかと危惧している。

# by hasiru123 | 2023-10-22 21:01 | 芸術

パリ五輪マラソンの代表選考レース、MGCを見た。今もその興奮がさめやらない。

男子は小山直城(Honda)が優勝して赤崎暁(九電工)が2位に入り、ともに五輪代表に内定した。二人とも若く、五輪初出場というフレッシュな顔ぶれだ。

小山は38キロ過ぎにスパートというよりもいつの間にかするりと前へ出たという感じで、そのまま2位以下を引き離した。多くの関係者が終盤の上り坂が勝負のポイントになると予想していたが、果たしてそのとおりになった。ここでしっかり勝負できたということは力がある証拠だろう。小山はわたしと同じ埼玉県出身ではあるが、実業団に入る前の経歴についてはよく知らなかった。しかし、22年の東京マラソンで初マラソンとして2時間8分台をマークし、さらに今年7月に行われたゴールドコーストマラソンで優勝したことから、代表争いに絡んでくるのではないかという予感はあった。

赤崎は、昨年の福岡国際マラソンでMGCの出場資格を得たときに、中継を見て安定感のあるフォームでスタミナのありそうな選手だという印象を持っていた。また、今年夏のホクレンDCシリーズで立て続けに5000mを13分台前半の記録を出したのを知って、スピードを兼ね備えたマラソン選手として注目していた。

代表争い以外に今回のレースを盛り上げたのは、何といってもスタート直後から先頭に立った川内優輝(AD損保)の果敢な走りだった。雨という気象コンディションを味方につけ、35キロ過ぎまでトップを引っ張った。一時は40秒あまりの大差をつけて4位に食い込んだ頑張りには脱帽だ。129回のマラソン経験は嘘をつかなかったということだろう。

そしてもう一つ。終始先頭集団の選手からマークされ続けた大迫傑(ナイキ)が3位に食い込んだことである。東京五輪で6位入賞したあと一時現役を離れたものの、さらに上を目指したいという気持ちがリスタートを決意させたのだと思う。2回連続での3位というのも一つの勲章である。「最低限の結果は出せた」とはレース終了後の談話。後に続く若い選手たちに向けていい仕事をしたと思う。来年行われるMGCファイナルチャレンジが一層熱を帯びてきた。

# by hasiru123 | 2023-10-16 19:02 | マラソン