今朝は南よりの風が吹いて、しかも湿度が高かった。わたしには走っていてちょうど良い気候に感じられたものの、秋なのに春風が吹いているみたいで奇妙な感覚だった。昨日の名古屋地方もそれと似たような気象コンディションだったかもしれない。
正午というと全日本大学駅伝の7区を過ぎたあたりか。大会本部から、12時時点で気温23.3度、湿度69%と発表されていていた。今大会はこの時期としては異例の暑さで選手たちを悩ませた。
駒澤大が2位の青学大に2分49秒の大差をつけて4年連続16回目の優勝を飾った。1区の篠原が1秒差で区間賞を獲得すると、2区以降では徐々に差を広げ、その後1度も競合選手の背中を見ることなく伊勢神宮のゴールへ飛び込んだ。
駒澤大は暑さをものともせず、各選手は前半を抑え気味に走り後半ペースアップするというトップを行くチームのセオリー通りの落ち着いたレース運びだった。一方で、優勝争いとは別の見ごたえある戦いが見られた。駒澤大のアンカー山川の後方で戦わされた熾烈な2位-4位争いと、8位-10位のシード権争いだ。今大会を盛り上げた最大の立役者はこれらの選手たちではなかったかと勝手に思っている。
残り5キロを切り、15.1キロを過ぎて国学院大・伊地知と中央大・阿部が青学大・田中を捉え、3人の集団走に。そして、 創価大・吉田が8区11.8キロ地点までで3人抜きを演じ、6位に上がった。7位の大東文化大・菊地に30秒差、8位の東京国際大・川内に59秒差をつけていた。
わたしは後刻、ビデオで中継画面の全てを視聴したのだが、競技内容とは別に「これは?」と思ったことがいくつかあった。
一つ目は、中継でも伝えられていたように給水所で水を取り損ねた選手が多く見られたことだ。温度が上昇する後半の区間では、給水の失敗が選手の調子を狂わせることが考えられる。最近のマラソン大会ではよく行われているように、選手にボトルを手渡しする対策がとられてもいい。
二つ目は、中継所の役員がタスキ渡しを終えた選手のナンバーカードから安全ピンと思われるものを外すシーンが見られた。ナンバーカードを回収するための措置と考えられるが、息が絶え絶えの選手を引き留めて行う措置に疑問を抱いた。記録はナンバーカードの情報から電子的に読み取られているはずなので、選手がそのまま持ち帰ることはできないのだろうか。
三つめは、大会の運営とは直接関係がないが、テレビの中継画面には箱根駅伝で活用されているdボタンを使って選手の情報や各チームの順位などが見られる仕組がなかった。スマホと併用して視聴すれば受けられるサービスではあるが、テレビのリモコン一つで操作できればなお便利である。
四つ目は、知識として知らないだけのことではあるが、監督バスに乗っていた監督さんが車から降りて沿道に出てチームの選手に声掛けをしたり、ゴール地点に先回りしてアンカーを待つことがどうしてできるのだろう。監督バスを始めとする関係車両は選手が走るコースの右側車線を選手とほぼ同じスピードで走っている。3車線や4車線の広い道路であれば車線変更したり、近道を使うなどして先回りすることが考えられるが、この大会のほぼまっすぐのコースではそのような技は考えにくい。不思議である。
5つ目は、監督バスにはスポーツジャーナリストの増田明美さんがバスに乗り込んで監督さんの声をリポートしていたことについて。監督バスは2台あって、有力チームの監督さんが乗るバスとそうでないバスとがあったようだ。もう1台のバスからも監督さんの声を聞いてみたかったなあ--。